死のうと思っている人たちに踏みとどまって欲しい5つの理由

以前、フジテレビの番組で放送されていた「東京午前4時」という番組をご存じでしょうか?
深夜帯に生きる人々にスポットを当てる中で私が特に心に残ったのは
「困窮を訴える電話。そして、自殺願望を語る人々と止めようとする人々」

生活が苦しく、心もすり減らした方々の対応をする自殺防止センターの電話番の回でした。

無職で借金、独身(頼る術もない)でこの先どうしたらいいのか。
生活保護の存在すらも知らない人々の切迫した絶望と向き合う 自殺防止センターの人たち

そこには、『心温まる』なんていう安っぽい表現はなく
ただただ今まさに絶望の淵にいる、助けが必要とする人々に真剣に向き合うドキュメンタリーがありました。

東京の自殺者は年間で3万人を超えると言われています。
未遂も数えるともはや軽視できない大きな社会問題なのは、誰もが知るところです。
実は『自殺』の他に『変死』としてカウントされていない『死』があることはあまり知られていません。

これだけ、多くの人が自殺について考え、未遂、あげく実行してしまっている現状は
狂気の沙汰です。
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そんな『死のうとしている人達へ』、あくまで個人の見解ですが
ここに『自殺してほしくない5つの理由』を記載します。

かなりデリケートな話題なので、不快感を抱いたら読み飛ばして下さい。

理由1:自殺する気持ちは、自分と真剣に向き合えている証拠

『自殺』は計画的なものと衝動的なものに分かれますが、最後の実行時は必ずと言っていいほど
衝動的なものであると専門家の意見でも発表されています。

それは、心の奥底では
死にたいと思っていても、本当は死にたくないのです。
八方塞がりで、何も立ち行かなくなり、今後どうしていいかわからない絶望感に覆いつくされ
まともな思考ができなくなっています。

まず、あなたは疲れているのです。

例えば、
ブラック企業で過酷な労働環境の中
責任感が強くNo!と言えず、挙句に過労からくる精神疲労と身体的限界で
歳若い命が亡くなっています。

そんな時、きっと「死のう、自殺しよう」と考えている(あるいは無意識でも)事でしょう。
それは、自分からの危険信号なのです。もう一人の自分『自分』が危ないと知らせているのです。
そして、自分の声が初めて届いた時、真剣に悩むのです。

そもそも、自分と向き合っていない人は自殺なんか考えもしません。
つまり自分と向き合えている格好の機会なのです。

社会的な責任だぁ?しらねぇ!俺は(私は)今一番『自分』が大事なんだ!

追い詰められたとき、歯を食いしばってナニクソ!と立ち向かえる人もいます。
ですが、立ち向かえない人もいます。

そんな時は逃げればいいのです!これは敗北ではありません!
戦略的撤退です。

誰もが強く生きれるわけではありません。世の中は強者だけでは成り立ちません。
弱者の下支えが不可欠なのです。

ここでは例で例えましたが、自殺願望のある人全てが弱者とは言っていません。
あくまで一例です。

要は世の中に不要な人など、誰一人いないのです。

間違いありません。

自分を見つめられる時、自分だけは世の中の誰が敵になっても味方です。
真に孤独なのは、死を受け入れ実行してしまった時です。

理由2:自殺はもっとも一番罪な殺戮

『自殺幇助罪』という罪が、日本の法律ではあります。
これは当人ではない第三者が当人の『自殺を教唆、助長』するなどして自殺を手伝った場合に罰せられる刑罰です。

これが意味するところは『命は絶対的な価値のある大切なもの』と国が定めているに他なりません。
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自殺幇助が罪としてとらえられるのは
その絶対的な価値のあるもの(命)に危害を加えることを意味するからです。

命の誕生は決して簡単なことではありません。
親なくして生まれてくる命でもありません。

遡れば、先祖代々に渡る何百、何千、何万、何億年と続く歴史の中で誕生した命です。

自分で終止符を打つことは、過去を侮辱すること、生んでくれた親を間接的に殺す事に値します。

宗教で言えば
仏教やキリスト教では『自殺』は禁じの教えとして広まっています。(諸説あります)

そもそも、仏教などの神仏の観点で言えば、この身体と命は神様からの借りモノという定義なので
ぞんざいに扱っていいはずがありません。

自殺は『自分を殺す』と書きます。
殺人罪です。

世の中で『唯一』の『絶対に裏切らない』大切な仲間(自分)を殺すのです。

それは、許しがたい事なのです。

理由3:あなたがいなくなったら社会的な損失

あなたの一挙一動が、経済活動の源になっています。
あなたが生きているだけで、救われている人がいます。

例えば、あなたがトイレに行くだけで
水道局、汚染物質除外工場、配管管理 などなど
様々なインフラを使用しています。

そして、そこに携わるすべての人に『仕事を与えています。』

あなたが活動する。

社会経済が動く

仕事が生まれる

仕事で収入を得る人が生まれる

こんな簡単な図式でも、間違ってはいません。
それほど一人の人の行動は社会全体に及ぼす影響が広いのです。

なにも影響力がある有名人物、著名人だけで社会が成り立っているわけではありません。
『あなた』を含めて社会なのです!

しがない個人だとしても
個人の損失は社会一部の損失です。

それほどあなたには価値があります。

理由4:残された遺族や友人

あなたが死んだあと、必ずその後に残される人々がいます。

家族、友人、同僚。たとえ天涯孤独でも
誰かには必ず迷惑がかかり、そして悲しい思いを心に刻ませることになります

そしてその心の傷はその人に生涯付きまとうかもしれません。

今まさに自殺願望がある人に
「残されたものの気持ちを考えなさい」と説く人がいます。

それは間違いではないのですが

今まさに自殺願望のある人は自分の事で精いっぱいで
いっぱい、いっぱいな状態です。

他人を気遣う余裕などない状態です。

だからこそ、こういった文章を読んでいる
少しでも心の負担が収まっている時に
頭の片隅に置いておいてください。

きっと、あなた自身があなた自身をとめるきっかけになると思います。

理由5:死んだら「解放」されるわけではない

借金苦で自殺しても、借金は残ります。
現実的な話

「自殺」は苦痛からの『解放』ではなく『強制終了』です。

例えば、
パソコンを強制終了すると、故障の原因につながるだけでなく
再起動時に強制終了した際のリカバリ(復元)動作処理が行われます。

『誰か』がその後始末をします。

これは『人に迷惑をかけるな』という次元の問題ではありません。

自殺は「解放」ではなく、「終り」です。

映画の結末を観ずに終わらせるようなものです。

物語の終着点が自殺ということはありません。

自殺は物語の過程に過ぎません。

どうせなら自殺という決断を取らずに、
みっともなくあがいていく手段を獲って欲しい。

私は、心からそう願い、また自分にも言い聞かせています。