40代が近づくと、体の声が少しだけ大きくなります。
昔なら「寝れば回復」だったのに、今は“寝ても残る”日がある。とくに前日に飲みすぎた夜、脂っこいものを食べた夜。翌朝の胃が、起きた瞬間から重い。頭もぼんやり。そんな朝に、無理やり朝食を流し込んで、さらに気持ち悪くなる……僕は何度かやりました。
だから最近は、意識的に朝食を外します。
胃腸に休憩を与えるつもりで。内臓に休日を渡すような感覚です。
朝食を抜くって、たぶん人によっては不安になります。「エネルギー足りなくならない?」「体に悪くない?」って。わかります。僕も最初は、どこかで罪悪感がありました。
ただ、40代の体は“やさしく扱った分だけ”戻ってくる気がしています。朝食を抜くのは、そのやさしさのひとつ。そこに「オートファジー」という言葉が絡むと、余計に気になってくる。
オートファジーって何なのか。雑に言うと「細胞の掃除」
オートファジーは、細胞の中で古くなったタンパク質や傷んだ部品を分解して、再利用する仕組みだと言われています。家の中で例えるなら、年末の大掃除というより、毎日こまめに捨てて整理していく“片付けの習慣”に近い。
この仕組み自体は昔から研究されていて、2016年にはオートファジー研究がノーベル生理学・医学賞の対象にもなりました。名前が広まったのは、その影響も大きいと思います。
ただ、ここで一回ブレーキを踏みます。
「空腹になればオートファジーが爆発して若返る」みたいな話は、さすがに盛りすぎです。
人間で「何時間食べなければ、どの程度オートファジーが確実に上がる」と断言できるほど、単純ではありません。個体差もあります。睡眠、運動、ストレス、普段の食事内容でも変わるはずです。
それでも、空腹の時間を意図的に作ることが、体のメンテナンスに寄与しうる。そういう考え方としては、僕はわりと納得しています。
「朝食なし」は、実は“何もしない”じゃなくて“時間を設計する”
朝食を抜くと聞くと、極端に感じるかもしれません。でも実態は、時間の使い方を少し変えるだけです。
たとえば、夕食が20時で、翌日8時に朝食を食べると、12時間は何も食べていないことになります。これでも十分“胃腸が休んでいる時間”はある。
そこから、朝食を少し遅らせる。あるいは、飲みすぎた翌朝だけ外す。
僕がやっているのは、だいたいこの発想です。
「毎日やる」ではなく、「内臓が疲れてる日は休ませる」。
これなら続きます。怖さも少ない。
僕の“内臓休ませモーニング”の話
前日に飲みすぎた朝って、体が正直です。
口は乾いてるのに、胃はまだ起きていない。油の膜が残っている感じがする。
そんな朝に僕がやるのは、派手なことじゃありません。
まず水を飲みます。冷たい水じゃなく、できれば常温か白湯。胃がびっくりしにくい。
それから少しだけ動く。外に出られるなら10分歩く。無理なら窓を開けて深呼吸でもいい。体のスイッチを“ゆっくり”入れるイメージです。
コーヒーは、飲む日も飲まない日もあります。胃が荒れている感じがある日は避けます。ここは体感優先です。
こうして午前を過ごすと、昼前あたりで「胃がやっと起きたな」という瞬間が来ることがあります。僕はそのタイミングを待つようにしています。焦らせない。起こさない。起きるのを待つ。
朝食を抜くと得やすい感覚
ここは科学の話というより、生活者としての実感です。僕の場合、こういう変化が出やすい。
胃が軽い。午前中の眠気が減る。頭が少しクリア。
「重たい自分を抱えたまま仕事に入る」感じが弱まります。
もうひとつ大きいのは、食事を“惰性で入れない”意識が育つことでした。朝食を抜く日は、昼食の選び方も変わってきます。胃腸が軽いと、雑なものを入れたときの反動が分かりやすい。体が先生になる。
オートファジー目的なら、朝食より「夜の終わり方」が効く
オートファジーを意識すると、つい「朝を抜く」に目が行きます。けれど、実は夜のほうが重要かもしれません。
夜遅い時間の間食。締めのラーメン。寝る直前のアルコール。
これをやると、空腹の時間が削れます。胃腸の稼働時間も延びる。
だから僕は、朝を抜くより先に「夜を軽くする」ほうが効く日があると思っています。
本当にきつい時期は、朝食を抜くというより、夜の食事を一段軽くする。そっちのほうが体への当たりが柔らかい。
落とし穴:朝食を抜いて、昼にドカ食いすると意味が薄くなる
朝食を抜くと、お腹は空きます。そりゃそうです。
ここで昼に爆発すると、結局、胃腸に急な負担がかかります。血糖の波も大きくなりやすい。午後が眠い。イライラする。そうなると「朝食抜き、合わないじゃん」で終わりやすい。
僕がうまくいきやすかった昼の取り方は、先にタンパク質と野菜を入れて、炭水化物は最後にする流れです。ごはんを悪者にする気はありません。ただ、順番を変えるだけで、午後の体感が変わる日があります。
向いていない人もいる。ここは無理しない
朝食抜きが合わない人は、ちゃんといます。これは“気合で慣れる”話ではありません。
たとえば、糖尿病の治療中で薬を使っている人。低血糖のリスクがあります。
妊娠中、成長期、体重がかなり軽い人、摂食障害の既往がある人も、自己流でやらないほうがいい。
また、朝から肉体労働や運転がある人も注意が必要です。集中が落ちると危ない。生活の条件を無視して正義を振り回すと、体が反発します。
心配なら、まずは「朝食を抜く」ではなく「朝食を軽くする」からでもいい。スープだけ、ヨーグルトだけ。そういう手もあります。
40代の朝は、足すより「引く」が効くときがある
40代に近づくと、体は複雑になります。足すほど良いとは限らない。やることを増やすほど疲れる日もある。
だから朝食なしは、僕にとって「何かを頑張る」手段ではなく、頑張りすぎないための設計になりました。飲みすぎた翌朝、脂っこい夜の翌朝。内臓を休ませる意識を持つだけで、昼以降の自分が少しマシになる。これが続ける理由です。
オートファジーという言葉は、たぶん入口にすぎません。
本当に欲しいのは、若返りでも奇跡でもなくて、今日をちゃんと回せる体の手触り。僕はそこに価値があると思っています。

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