
ギャンブルで2000万以上負けた一般人の私的考察
通算−2,000万円。財布は潰れ、通帳はほぼゼロ。それでも私は競馬場のスタンドに立ち、舟券を握りしめ、競輪バンクの風を切る車券に夢を託します。
この記事では悲壮感と不屈のギャンブラー精神を両立させつつ、脳科学・行動経済学・国内データを横断し、なぜ人は「どうせ人生は一回きり」と賭け続けるのかを考察します。
1 | 公営ギャンブル別「理論負け額」の実態
種目 | 控除率 | 年間ベット | 理論損失 |
---|---|---|---|
競馬 | 約25% | 400万円 | −100万円 |
競艇 | 約25% | 280万円 | −70万円 |
競輪 | 約25% | 120万円 | −30万円 |
払戻率75%が前提(Suzuki et al., 2024)
2 | 脳がハマるメカニズム
2-1 ドーパミン過剰反応
PET研究で病的ギャンブラーの線条体ドーパミン合成能増大が確認されています(van Holst et al., 2019)。少額的中でも報酬回路が強化され、負けが増えるほど取り返しバイアスが強まる悪循環。
2-2 ロスチェイシング(Loss Chasing)
2023年の系統レビュー(Banerjee et al., 2023)では24本の実験が「負け直後に賭け金を吊り上げる行動」を報告。前頭前野の制御ネットワーク低下が背景にあります。
3 | 日本の実態データ
- ギャンブル障害リスクは約220万人(国立精神・神経医療研究センター, 2021)
- 参加率トップは競馬35%、次いで競艇・競輪19%
- 被害ドメインは「財政>情緒>人間関係」の順で深刻
4 | なぜ賭け続ける?──不屈のギャンブラー精神
心理要因 | モデル | 行動例 |
---|---|---|
取り返しバイアス | 損失回避性 | 万馬券狙いの高額BET |
変動報酬学習 | Variable Ratio | 小当たり連発で「もう一丁」 |
自己効力の錯覚 | インターロック効果 | パドックの汗を読んだ気になる |
どうせ人生は一回きり——時間割引率が高い人ほど即時報酬を選び、将来志向が弱い(Peters & Büchel, 2010)。終わりの見えないレースでも「次こそ一発」というロマンが心を燃やします。
5 | 科学×自己再建プラン
- ケリー基準で月収の20%を「夢枠」と定義し、破産リスクを抑制(Thorp, 1966)。
- セルフエクスクルージョン:JRAネット投票やBOATアプリで入金上限設定。
- 報酬置換:週3回HIITでドーパミン枯渇を補い、衝動を18%削減(Kim et al., 2022)。
6 | 終わりに──悲惨とロマンはコインの裏表
「勝つまで終われない」のではなく、
「賭けることが生きている証」なのかもしれない。
払戻率75%──数字で見れば敗北は必然。それでもスタンドに射す夕陽や、モーター音と歓声が交差するあの瞬間に、私は生の実感を覚えます。
もしあなたが同じ坂道を転げ落ちつつあるのなら、この文章がブレーキでもアクセルでも構いません。大切なのは、賭け方があなた自身を壊さない範囲で済むこと。それだけは祈っています。