今年のインフルはなぜ流行が早い?──最新データと症状・対策のまとめ(調査レポート)
要点(1分サマリー)
・2025年10月20〜26日(第43週)の全国データは、定点当たり6.29(患者報告24,276)。都市圏や沖縄で高水準が続いています(厚生労働省・週次発表)。第43週発表PDF
・直近5週のウイルス型はAH3(A香港)72%が優勢(国立健康危機管理研究機構・IDWR)。週報PDF
・症状は高熱、咳、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、強い倦怠感など。発症後48時間以内の受診で抗インフル薬の効果が期待できます(厚労省Q&A)。インフルQ&A
1. 今年の流行状況(最新)
- 全国概況:第43週の定点当たりは6.29。都道府県別では、沖縄19.40、神奈川11.88、千葉11.82、埼玉11.73、東京10.37など。厚労省 週次発表
- 型の内訳:直近5週の検出はAH3 72%/AH1pdm09 23%/B 4%。IDWR(週報)
- 世界動向:WHOの最新Updateでも季節性インフル活動が各地域で報告されています。WHO Current Influenza Update
2. 症状(見分けのポイント)
一般的には、急な発熱(38℃以上)、咳、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、頭痛、関節痛・筋肉痛、強い倦怠感など。嘔気・下痢などの消化器症状が出ることもあります。厚労省Q&A
- 受診の目安:高熱が続く/息苦しさ/水分摂取が難しい/意識がもうろう/持病悪化の兆候。乳幼児・高齢者・妊娠中・基礎疾患のある方は早めの相談を。Q&A(症状・治療)
- 小児の“異常行動”注意:発熱後2日以内に転落等の事故につながる行動が報告されています。窓の施錠・高所回避・できれば1階で休むなどの環境整備を。留意事項PDF
3. 予防と日常の対策
ワクチン(重症化予防の軸)
- 目的:重症化の予防が主目的。高齢者や基礎疾患をもつ方で効果が示されています。厚労省 総合情報
- 時期:接種後2〜4週間で効果が高まり、およそ3〜5か月持続。秋の接種で冬季に備えやすいです。同上
- 対象の目安:定期接種は65歳以上等。乳幼児・妊娠中・基礎疾患がある場合は医療機関と相談を。同上
日常でできること
- 人混みや医療機関ではマスク、帰宅後の手洗い、室内の換気と適度な湿度。
- 体調不良時は無理をしない(出勤・登校を控えることが周囲の予防に直結)。Q&A
4. 治療の基本(受診のタイミング)
- 48時間以内の受診で、オセルタミビル/ザナミビル/ラニナミビル/ペラミビル/バロキサビル等の抗インフル薬が選択されることがあり、発熱期間短縮などの効果が期待されます。Q&A(治療)
- 基礎疾患・妊娠・乳幼児・高齢者など重症化リスクがある場合は、症状が軽くても早めの相談を。同上
5. 学校・保育の出席停止(登校・登園の再開目安)
学校保健安全法の基準は、「発症後5日」かつ「解熱後2日(幼児は3日)」が経過するまで。厚労省Q&A(出席停止)/参考資料PDF
6. インフルと同時流行への備え
- 同時流行:WHOの更新では、季節性インフルとSARS‑CoV‑2の監視が並行運用。症状が類似するため、必要に応じて医療機関で検査・判断を。WHO Update
- 家庭内:同居者に高齢者・乳幼児がいる場合は、部屋分け・共有物の分離・換気・手指衛生を徹底。厚労省Q&A
参考リンク(一次情報)
- 厚生労働省 週次発表(第43週):発生状況PDF
- IDWR(国内ウイルス検出状況・型の内訳):週報PDF
- 厚労省 総合情報・Q&A:総合ページ/Q&A
- WHO:Current Influenza Update
本記事は公的資料をもとに編集した調査レポートです。個々の症状や治療は必ず医療機関にご相談ください。救急症状(強い息苦しさ、意識障害、けいれん、脱水など)を疑う場合は速やかに受診してください。




